木魚歳時記第4615話

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 「特に近年のような末法の乱世にあっては、人々も殺傷、窃盗の如き非行を心ならずもしなければならない事態も少なくはない。そのうえ落ちついて修行の暇さえのだから念仏称名のように時と場所を選ばず、その信心の動くまにまにいいさえすればよい行(ぎょう)が最も時代にふさわしいと思う」
 と説き進め、さて時代を論じては、(佐藤春夫『極楽から来た』)1255

         いなびかり塔から塔へすぐそこに

 「ボクの細道]好きな俳句(2353) 摂津幸彦さん。「花守の花に生まれて匂ひけり」(幸彦) ボクが思い浮かべたのは「樒(しきみ)」の花です。樒の花は「春季」です。花は、いずれの「花」であったとしても、花守さんの匂いと同化する。そんな感覚はわかります。

まことに、人間の遭遇ほど、
味なものはない。
(折口信夫)