木魚歳時記第4600話

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 泰衡は義経の首級を六月十三日に鎌倉へ進めた。しかし首級はこの時既に腐爛(ふらん)して相貌の弁別もよくできなかったのを口実として、頼朝は怠慢を責め、院宣の下がるのをも待たず、七月十九日泰衡討伐軍を進発した。八月二十一日泰衡は平泉の館を焼いて逃れたが、程なく郎従河田次郎のために殺された。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1240

      石仏の脛のところに枯蟷螂  蟷螂(とうろう)

 「ボクの細道]好きな俳句(2338) 摂津幸彦さん。「新聞紙揉めば鳩出る天王寺」(幸彦) さて、この作品は無季? 「揉(も)めば」とありますから、新春の手品師が主人公と考えましょうか。それはともかく、「揉(も)めば」「天王寺」の楚辞が効いています。ボクの俳句の目安「難しいことを易しく。易しいことを深く。深いことを楽しく」(井上ひさし)を思い出します。

愛がある者が勝利する
(ヘルマン・ヘッセ)