木魚歳時記第4410話 

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 脱出の途上で、頼政は宇治の平等院に立ち寄った。平等院は興福寺の系統であったから一行を鄭重(ていちょう)に迎えた。これに気をよくした一行は前夜来のの疲労と心痛を休めて英気を養おうと一夜をここに明かした。しかしその間に追撃軍は思いのほかに早く迫って来た。。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1060 

      凍鶴のどこもうごかぬ鉄格子      

 「ボクの細道]好きな俳句(2150) 波多野爽波さん。「家ぢゆうの声聞き分けて椿かな」(爽波) 家の前庭に椿の大樹があるのでしょうか? あたりが暗くなるころから、深々と降り始めた雪で、あたりが静けさにつつまれて行く中で、家の中から談笑の声が洩れてきます。老樹にひらく椿の花が、家族の声を聞きながらぼとんと落ちました。

ご縁があり『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)をご紹介(抄出)してまいりました。ここでしばらく才一さんの「お歌」をお休みさせていただきます。次回より、しばらく日常の仏教にかかわる「ちょっといい話」を、ご紹介(抄出)させていただきます。ご笑覧ください。