木魚歳時記第4164話

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 (三)これもまた二十年ぶりに見る秦氏の主人は、初老のような血色を見せながら、頭はすっかりはげて一毛もなうい変わりようであった。しかしむかし、田舎からポット出の一族の少年に寄せた一方ならぬ好意は、今も依然として持ちつづけていた。従妹はあたりに見当たらなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)825

       おしまひの頁めくりてシクラメン

 「ボクの細道]好きな俳句(1909) 鈴木六林男さん。「追撃兵向日葵の影を越え斃れ」(六林男) 「向日葵」(ひまわり)そのものを越える力が残っていない! ですから向日葵をさけてその影を越えた・・いずれにしても厳しい戦争体験(生と死)の厳しさが伝わって来ます。さて、ボクは、シクラメンの花が好きです。この『木魚歳時記』終刊の時が来たら・・最後の写真はシクラメンか? どうなるか? それは誰にもわかりません!

  さいちのこころ、ふかいほど、
  をやのこころわ、これにまさるぞ。
  『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)