雲の中から一人の高僧が出て来てわが前に立たれのを、見れば腰から下は金色の仏相で上半身は普通の僧の姿である。合掌し頭を下げて、どなた様で居らせられるかと問うと、
(佐藤春夫『極楽から来た』)801
桃の日の男いつぴき打って出る
「ボクの細道]好きな俳句(1884) 永田耕衣さん。「人ごみに蝶の生るる彼岸かな」(耕衣) 滋味のある好きな作品です。さて「桃の日」といえば、節句の行事を思い浮かべます。ボクは、節句とか、雛祭とか、あまり興味がありません(水蜜桃は好きです)。ですから、もし、雛壇(ひなだん)の鑑賞に招かれたとしたら、ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ つまり、男一匹としては、いろいろ口実を設けて、近くの珈琲店に打って出る(逃亡する)でしょう(笑)。
さいちや、しあわせ、
よろこびの、
あじのこころを、
まるでもろうて、
ごをんうれしや、なむあみだぶつ。
『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)