木魚歳時記第4061話

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 「しかし、下界にはそんな色や匂いより、もっと面白いものがありました」
 と話に一段落ついたところで、今度は法然から語りかけ、語りつづけた。
「町で十二、三ばかりの子供たちが独楽(こま)を合わして遊んでいるのを見ていましたら、そのうちのひとりが、何かのはずみに
『院だか、犬だか知たものじゃない』
『バカ、そんなもったいないことを』
(佐藤春夫『極楽から来た』)728

       もうすこしこの世に居たい冬の蠅

 「ボクの細道]好きな俳句(1808) 長谷川櫂さん。「深山蝶飛ぶは空気の燃ゆるなり」(櫂) ふむ。いささか大げさ! 幽谷(音ひとつない)に、突如、蝶が、はらはらと迷い出るのは異なものです。しかし、これで深山の状況の異様な急変が読み取れるから不思議です。

 カナリア10 冬になってストーブを焚き始めると、彼はさっそく春の脱毛の時期がが来たのだと思って、羽を毟(むしり)だす。