木魚歳時記第4060話

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(二) 後年「仏法ニ逢ヒテ身命ヲ捨ッ」という事を、
  かりそめの色のゆかりの恋にだに逢ふには身をも惜しみやはする。と歌った法然は、その壮年時代、山上と下界とをしきりに往復している間には、これくらいの体験ならあったのである。彼もまた木石ではなく、この時代の人間であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)727

       山寺は桶の中まで木の実降る

 「ボクの細道]好きな俳句(1807) 長谷川櫂さん。「水底の砂の涼しく動くかな」(櫂) 自然詠です。こんな光景はよく見かけるような気がします。しかし、川底の砂が動くのはよほどの水勢のあるとき、あるいは、人為的な何かで起こることが多いようです。掲句のように、さらさらと水勢にまかせて「涼しく動く」となると、これは、叙景作品、抒情作品ということになるのでしょう。

 カナリア9  その陰鬱(いんうつ)な体操が済んで休む時でも、片足で一方の止まり木をしっかり握り締めて止まりながら、もうひと田記つの脚で、機械的に、その同じ止まり木を捜している。