木魚歳時記第4008話

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 はじめに忠盛がここに賀茂川を一町へだてて、方一町五十戸棟あまりの邸を構えた当時にあっては、鳥辺野に近いこの地は人のあまい喜ばない陰気でさびしい土地であった。しかし目の利いた忠盛は将来の発展を見越して、ここを一門のための居住地として置いた。
 しかし土地は、土地そのものよりも忠盛の子の清盛の栄達のためにその居住のこの土地まで繁栄するに至るめでたさであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)681

       寺に生れ寺に育ちて仏手柑   生(あ)れ

 「ボクの細道]好きな俳句(1755) 秋元不死男さん。「獄凍てぬ妻きてわれに礼をなし」(不死男) 政治犯(とおもいます)。作者は、北の国の最果ての監獄に留置されていたことがあるのでしょうか? 妻が来て、言葉少なに面会して、そして、去っていった。なにか夫婦にしかわからない、その切なさが迫ります・・

 鹿4 とうとう、はっきり鹿の姿が現れ、そこで私たちはどちらも立ち止まった。私は彼に言った・・