木魚歳時記 第3785話

 

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 しかしまだ今までの天台密教が衰えたということではなかった。
 宇治平等院の本尊は阿弥陀如来でありながら、その光背の化仏(けぶつ)が密教の本尊たる大日如来であるという事実によって、当年、貴族社会の仏教界の情勢はまのあたり如実に見られる。
(佐藤春夫『極楽から来た』)477

       メール終へ外は八十八夜かな 

「ボクの細道]好きな俳句(1536) 松崎鉄之介さん。「寝るだけの家に夜長の無かりけり」(鉄之介) 「寝るだけの家」とは! 独身時代の、まさに、寝に帰るだけの家の事でしょうか? それとも、老夫婦が住まうだけの寓居のごときものでしょうか? ボクは後者と読みました。なぜなら「明易しまた昼が来る高齢者」(木魚)の繰り返しだからです。

 家鴨(あひる)5 雌と雄の家鴨はもうっとも動かない。太陽の下で茹(うだ)って寝込んでしまう。そばを通っても誰も気がつかないくらいだ。彼らがそこにいることを知らせるのは何かと言えば、たまに水の泡(あぶく)が幾つか浮かび上がってきて、澱んだ水面ではじけるだけである。