木魚歳時記 第3782話

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 女の器量自慢で玉の輿(こし)を待っていた得子の母が、何で奥羽藤原の末流の北面の武士などに女をくれようか、義清の求婚はあっさり拒絶された。義清はこれを動機に出家を敢行した。
 彼の出家は二十二歳の時といわれるが、あたかも一歳年上の得子が入内した翌々年にあたるから、この推定はほぼ間違いなかろう。
(佐藤春夫『極楽から来た』)474

       たんぽぽや村のはずれの地蔵尊

 「ボクの細道]好きな俳句(1533) 松崎鉄之介さん。「白帝城彩雲のごと桐の花」(鉄之介) 桐の花の向うにはるか白帝城を望む。まるで漢詩の世界をほうふつとさせるような一句であります。この作品を鑑賞しただけでも、この作者固有のいさぎよさは俳句の世界にはめずらしいように思います。

  家鴨(あひる)2 最初まず雌の方が、鳥の羽や、鳥の糞(ふん)や、葡萄(ぶどう)の葉や、わらくずなどの浮かんでいる泥水の中へ、そのまま滑り込む。ほとんど姿が見えなくなる。
 彼女は待っている。もういつでもいい。