木魚歳時記 第1938話

f:id:mokugyo-sin:20140411035134j:plain

 寒さと暑さと、飢(う)えと、渇(かつ)えと、風と太陽の熱と、虻(あぶ)と蛇と、これらすべてのものにうち勝って、犀の角のようにただ独り歩め。 (スッタニパータ)

 BC5~6世紀頃の古代インド。ヒマラヤ山麓では小部族がひしめきあい、侵略にしのぎを削っていました。そうした弱肉強食の部族間のせめぎ合いの中で、小部族の一つであった釈迦族の王子として出生したコータマ・シッダルタ(後の釈尊)に、こうした厳しい生き残りをかけた周囲の状況が、シッダルタの人格形成に影響したであろうことは容易に想像のできることです。

        花冷や人影うすき博古館