木魚歳時記 第1936話

f:id:mokugyo-sin:20140409040653j:plain

 金の細工人がみごとに仕上げた二つの輝く黄金(おうごん)の腕輪を、一つの腕にはめれば、たがいにぶつかりあう。それを見て、犀の角のようにただ独り歩め。(スッタニパータ)

 高価な腕輪を身につける習慣は、インドないし南アジアの女性の特徴的な装身具であり、財貨を安全に保管する有効な手段でもありました。そのことが釈尊の時代においても行われていたことを示す記述となります。ここでいう「ぶつかりあう」とは、もちろん腕輪のことですが、自己主張の強い二人が相寄れば意見の齟齬(そご)も起こりうるとの比喩とも受けとれます。

        つちふるや二党連立方程式