木魚歳時記 第1895話

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鬼子母神(きしぼじん)

 昔、インドに女鬼がいて、子どもをさらって食べてしまうので親たちから恐れられていました。そこで親たちは「なんとかしてください。」と、お釈迦(しゃか)さまのところに相談にゆきました。そこでお釈迦さまは、鬼子母神の500人の子どもの中から末娘を隠しておしまいになられました。やがて、末娘がいないことに気づいた鬼子母神は、血眼(ちまなこ)で探したがわかりません。気が狂いそうになった鬼女は「どうか末娘を探してください」とお釈迦さまの処に駆け込みました。そこで、お釈迦さまは「大勢の子を持つおまえですら、子をひとり失えば嘆(なげ)き泣き悲しむ。ならば、おまえにさらわれた多くの親たちの気持ちを考えてみなさい。」とお諭(さと)しになられました。そのことばを聞いて自分の非に気がついた鬼子母神は、その場でお釈迦に帰依(きえ)し、以来、仏教の守護神となったということです。(『鬼子母神経』)

       咳一つ絵本の中の二度わらべ