機（き）に因（よ）って法を説く
俗に八万四千の法門といわれるように、仏教の教えはなぜこんなにたくさんあるのでしょうか？その理由は、仏教が日本に伝わる２５００年の時間的流れと、インドから中国（朝鮮）を経て日本に伝えられた、それぞれの国の文化が関係します。
しかし根本的な理由は、お釈迦（しゃか）さまの説かれた「法」はただ一つですが、その「法」を受けとる側の私たちの素質（これを機といいます）がさまざまであることによります。お釈迦さまは、私たちのさまざまの素質にあわせてわかりやすく「法」をお説きになった・・これを「対機説法」（たいきせっぽう）といいますが、このことが、一見、仏教の教が複雑かのように見せるのです。
