木魚歳時記 第1724話

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 一休禅師

 大徳寺開祖(大灯国師)三十三回忌の大法要をひかえ、前夜、修行僧たちの読経の声を耳にしながら、一休禅師は若くて美しい女性と愛欲の坩堝(るつぼ)にあった。一休禅師には三つの顔があるといわれる。(1)頓知に優れた神童の顔。(2)厳しい修行僧としての顔。(3)奔放(ほんぽう)に生きた自由人の顔。このいずれもが、世の欺瞞(ぎまん)と虚飾(きょしょく)に、子どものように純粋に反応した禅僧の「道心」(どうしん)により貫かれていた。

     洛中を西へゆきたる鉢叩き