木魚歳時記 第1722話

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 還愚痴(げんぐち)

 浄土宗を開かれた法然上人は「智者のふるまひをせずしてただ一向(いっこう)に念仏すべし」とおっしゃいました。「還愚痴」(げんぐち)、すなわち「愚者(ぐしゃ)の自覚」にもどることが浄土宗を開かれた出発点となります。万人平等教え「念仏」の高らかな宣言であります。カースト制度に基づく身分制度の不平等の打破を訴えた、マハトマ・ガンジーの言葉「真理を求める者は、塵(ちり)に踏まれるほど謙虚(けんきょ)であるべし」に通じるものです。

     雲のほかうごくものなし冬野かな