木魚歳時記 第1196話

f:id:mokugyo-sin:20140104041436j:plain

西雲院

 浄土宗金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)の山内に西雲院(さいうんいん)がある。この寺に、長さ二メ-トルばかりの黄色味をおびた石が置かれてあるがのう、これを紫雲石(しうんせき)と呼ぶそうじゃ。昔、承安五年に、比叡山を下りた法然上人という偉い僧が、この石のあたりに腰をおろされて、「日想観」(にっそうかん)をされていたところ、たちまち紫の雲がたなびき、僧はこの時に、念仏の教えを悟られたと伝えられている。そうして僧は、この地を選んで浄土宗(念仏宗)を開かれたとも伝えられている。

西雲院 :左京区黒谷町

     弁柄の獅子頭飼ふ寿老人