木魚歳時記 第997話

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うぬぼれは 
木の上から ボタンと落ちた
落ちたうぬぼれは
いつのまにか また
木の上に登っている(榎本栄一)

 「うぬぼれ」「おもいあがり」のことを、仏教では「驕慢」(きょうまん)というむつかしい用語で説きます。そしてこれを煩悩(ぼんのう)の一つに数えます。驕(きょう)とは、家柄・財産・地位・能力・知識・容姿などについての<おごり>であります。慢(まん)は、他と比較して起こる<おごり>であります。より根本的な煩悩(ぼんのう)といえます。あの人に勝ったの負けたのと競りあう気持ちのことです。その結果の<おごり>はまさに煩悩の代表の気がいたします。

     竹の子の気配を土にたづねけり