木魚歳時記 第998話

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この道は この世の奥をつきぬけて
十方億土へ つづいているようです (榎本栄一)

 十方億土(じっぽうおくど)とは極楽浄土のことです。お釈迦(しゃか)さまは、お生まれになるなり七歩あゆまれ、天地を指さして「天上天下唯我独尊」と申されたと伝えられています。「唯我独尊」(ゆいがどくそん)とは「わたしほど偉いものはない」との意味ではありません。「天上天下」(てんじょうてんげ)、すなわち全世界の中で「わたしという存在は唯一つしかない、そのこと自体が尊いのだ」と理解したいものです。これは差別社会に対する高らかな警鐘(けいしょう)でありました。

     花いばら蜜盗人のすれちがふ