木魚歳時記 第1126話

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驕慢

 哲士君は障害をもつ画家です。哲ちゃんの絵画展を見に、嵯峨野の常寂光寺(じょうじゃっこうじ)を訪ねました。旧山陰線のトンネルが見える踏切を渡り、竹薮の小道をいくどか曲がるとお寺にたどりつきます。哲ちゃんと、哲ちゃんの飼っている亀と、哲ちゃんのご両親にお会いできました。お寺の掲示板に張り紙がしてありました。

   「うぬぼれは 木の上から ボタンと落ちた 
   落ちたうぬぼれは いつのまにか また
   木の上に登っている」

 驕慢(きょうまん)とは、おごり高ぶる心のことです。うぬぼれのことです。仏教では、うぬぼれを根本的な煩悩(ぼんのう)の一つに数えます。

     冬枯のだんだん怖くなる野道