木魚歳時記 第901話

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念には念をいれる

 念には念をいれて、ということばがあります。準備万端(ばんたん)おこたらず事(こと)に臨(のぞ)むことを指します。
 仏教(浄土系の仏教)では、もっぱら「念仏」(ねんぶつ)を大切にします。「念仏」(ねんぶつ)とは、仏(ほとけ)を<おもう>ことです。仏を<おもう>とは、こころを一点に集中して、仏(ほとけ)の救いを信じることです。恋愛(れんあい)の状態にある男女を想像してください。このときほど、おたがいに相手のことを<おもう>時はないでしょう。煩悩(ぼんのう)に苦しむ衆生(しゅじょう)を<おもい>。煩悩(ぼんのう)からの開放を願い、仏(ほとけ)に<すがる>。これが「念仏」(ねんぶつ)です。

    たましひの頭にのぼりたる小六月