木魚歳時記 第867話

f:id:mokugyo-sin:20131228141503j:plain

仏道を習ふといふは自己をならふなり

 曹洞宗(そうとうしゅう)の開祖(かいそ)、道元禅師(ぢうげんぜんじ)の『現成公案』(げんじょうこうあん)にあることばです。
 わたしたちが鏡を見るのは鏡そのものを見るわけではありません。鏡に写る自分自身を確かめるためであります。しかし、その鏡が曇っていたり汚れていたのでは自分自身を正確に映すことはできません。「仏教を学ぶことにおいて自分を学び、自分を知ることにおいて仏教を知る」。すなわち、けっして曇ったり汚れることのない澄み切った鏡のような仏教の教えに照らして、自分自身について学ぶことの大切さを上記のことばは教えています。

    秋立ちて種牡馬跳ねだす羊蹄山