木魚歳時記 第977話

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法を灯火とし よりどころとせよ

 『遊行経』(ゆぎょうきょう)にあることばです。法(ほう)とは仏教のことです。すなわち「仏教経典にある教えをよりどころとし、それをヘッドランプとして自身の進路を進みなさい」ということです。
 釈尊(しゃくそん)は晩年、愛弟子に先立たれたとき、他の弟子たちを集めて次のように話されました。「いずれ愛する者と別れなければならない時がくる。この世には、移ろい変らないものは一つもない。大いなる樹木も、その枝の一本が先に枯れることもある。私が汝らに先立つときがくれば、汝らは自らを灯火とし、法をよりどころとして他をよりどころにしてはならない」と説かれたのです。

      足跡の消えなば消えね涅槃西風