一念に八十億劫の重罪を滅ぼすと信ずべし
親鸞(しんらん)の『歎異抄』(たんにしょう)にあることばです。これは「一声(ひとこえ)念仏すれば、八十億劫(おくごう)という、無限大に近い長い間の罪が滅(ほろ)びる。そう信じなさい」という意味です。
現在、一念発起(いちねんほっき)は「怠(なま)け者が、一念発起(いちねんほっき)して生まれ変わったように働きだした」。と、このように用いられます。その人が志を立て、やる気を起して自力で始めたように受とめられます。しかし、実はアミダ仏の「他力」(たりき)なのです。アミダ仏さまがそのように仕向けられているのです。そのことに気がつかなかっただけのことです。一声「ナムアミダブツ」と唱えることで、そのことに気がつくのです。