木魚歳時記 第864話

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説いたところを説いたままに授受して実践してほしい

 釈迦(しゃか)に問う者がいた「世界は有限か無限か。人間は死後も存在するか、存在しないか」。その質問に釈迦(しゃか)は、毒矢の喩(たと)えをもって答えられたという。毒矢に射られた者がある。その者は「自分を射たのが誰だか調べてくれ、それがわかってから毒矢を抜いて治療してくれ」と叫んだという。しかし、そんなことをしていれば、毒が全身にまわって死んでしまう。「いま、なにをなすべきか」。それは、いたずらに死後の世界、来世のことを考えるより、今、人生の苦悩(くのう)を解決するために「行動を起すことが大切である」。これが『法句経』(ほっくきょう)にある釈迦(しゃか)の教え、つまり、仏教の中心であります。

    桐一葉甲斐に抱れし龍太亡し