木魚歳時記 第224話

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底ひより 鯰くりだす 印旛沼

 お釈迦さまの時代、修行者たちが生活する場所をヴィハーラ(僧房)と称し、僧院・寺院の他の部分と区別したようです。その僧房の主人公ですから、「房主」であるべきところ、「房」と「坊」が混用されて「坊主」(ぼうず)となったのです。

 とこれで「坊主まるもうけ」とか「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とか、とかく「坊主」の呼称には皮肉と侮蔑のニュアンスがつきまといます。そのわけは、①世俗の暮らしに順応するあまり僧侶本来の価値を低めた。②外護者の支援にあまんじ僧侶本来の活動がおろそかとなった。③坊主の特権を利用した<にせ坊主>の出現による反社会な行動が目立つ。おおまかにいってこうした三つの理由が考えられます。

 「無量精舎の鐘音に 諸行無常の響きあり 百日紅の花の色 坊主転落の理(ことわり)を現わす。」と、まさにそうなるはずであつたぼくがそうならずにすみそうなのは、ひとえに大黒さんのお蔭です。

      「空豆の これもはらから 小さき子」