気を配る
本年のエトは、「子」(ね)、つまり<ねずみ>です。俳句においては<ねずみ>の異称(いしょう)として<嫁が君>を用います。正月に忌詞(いみことば)を避けるためでしょう。
原始教典『ウダーナヴァルガ』に「自分を苦しめないことば、また、他人を苦しめないことばを語れ」とあります。これは他人に対して、神経を使うのでなく気配りの大切さを教えたものです。ところで、気配りのできる大黒ねずみと違って、和尚(おしょう)ねずみは、神経をすりへらせて気配りの下手なねずみです。正月早々に和尚の愚痴(ぐち)と<嫁が君>のおのろけで恐縮です。