木魚歳時記 第222話

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ひさかたに くりくりと飲む 新茶かな

 「薬師如来」(やくしにょらい)は、菩薩のとき「衆生の病苦を除き安楽を与える」という願いを立て、そのために修行され、「仏」(ほとけ)と成られました。さて「如来」(にょらい)とは、「仏」(ぶつ・ほとけ)と同義と考えましょう。

 薬師如来が民間に親しまれるのは、つまり「薬師信仰」が盛んとなったのは、薬師如来功徳が、治療・施薬の「現世利益」(げんせりやく)であるからです。古来より、法隆寺創建のときは薬師如来が本尊となりました。天武天皇は皇后の病気平癒を祈願して薬師寺を建立されました。また、薬師如来を本尊に、日光・月光の両菩薩を脇侍とする「薬師三尊」(やくしさんぞん)を祭る薬師堂は、全国のいたるところに見受けられます。

 薬師を「くすし」と読めばそれは医者のことです。また、薬師如来の語源は「バイジャンジャ・グル」(癒しの尊者)であります。また、薬師如来の別名は「医王如来」であります。このように古くから「仏教と医療」のかかわりが見受けられるのは、大変に意義深いことです。

     「賀茂祭 どこか異様な 白装束」