木魚歳時記 第179話

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値札にも 生計の匂ひ 年の市

 蜀山人大田南畝)は、京都のことを「京風いろは歌」で、ぼろかすにこきおろしています。(へ)へつらい言うて世を渡り。(ほ)欲しがるものは銭と金。(に)似ても似つかぬ裏表。というふうにです。

 ぼくは、金銭は欲しがりはませんが、プライド(上昇志向)は強いほうで、それも、実力のないプライドですから困ったものです。半面、妙に<へつらう>ことをします。ですから、たいていの人は、ぼくのことを二重人格者だと思っています。<へつらい>はぼくの「業」(ごう)かもしれません。

 仏教でいう「業」(ごう)とは、行為(行い)のことです。行為の中でも、欲望に「執着」(しゅうちゃく)すること、欲望にとらわれること、これは「煩悩」(ぼんのう)を招く最たるものとして避けます。すなわち、欲望が招く「煩悩」(ぼんのう)から解放されること、これが、仏教の<出発点>となります。ぼくはまだ、自身の「業」(ごう)である<へつらい>から解脱できていません。

    「煤払 なんのこっちゃ 丸裸」