一隅に 伸るか反るかの 芥子坊主
悟りへの道(2)
悩み(生・老・病・死)を、「禅定」により解決することを断念された釈尊は、二人の仙人のもとを辞し、ナイランジャイナー河(尼連禅河・にれんぜんが)のほとりにある苦行林に入られます。
そのころの苦行とは、肉体を極度に鍛錬することで、強い意志力を養い、精神的な自律性を得ようとするものでした。釈尊は、六年間にわたり、考えうるさまざまな苦行を試みられと伝えられます。そのようすは、悪魔(恐怖・誘惑・欲望など)の戦いに喩え伝えられています。
やがて釈尊は「そのような難行をもってしても聖なる知見にはいたることができなかった」。と、苦行を捨てる決意をされます。それは「生・老・病・死」を、<あるがまま>に観察する境地に至られたからだ、と伝えられています。