木魚歳時記 第118話

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坂上に 異人館かな 鯉幟る

悟りへの道(1)

 シッダルタは29歳で、すべてを放棄し、沙門(修行者)として出家されました。つまり、ゴータマ(釈尊・釈迦族の尊者)となられたのです。この時代の沙門の修行方法には二つのタイプがありました。一つは「禅定」(ぜんじょう)で、もう一つは「苦行」でした。

 「禅定」とは、心静かに瞑想して真理を観察することで、それにより心身とも動揺することなく安定した状態になるからです。
 そこで、釈尊は「禅定」を学ぶため、カーラーマとラーマプトラという二人の仙人を訪ね「無執着」と「無念無想」の境地について教えを請います。
 その結果「禅定」のみでは生・老・病・死に対する根本的な解決とはならない…なぜなら「禅定」に入っている間は、心の平静さは保てますが「禅定」をやめると、また生・老・病・死に対する悩みがよみがえってくるからです。