木魚歳時記 第103話

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葉隠れに 利休つばきの 本音きく

 嵯峨小倉山の「百人一首」で有名なニ尊院は、また、法然上人ゆかりの寺でもあります。とりわけ、宅磨法眼作という「法然上人足曳の御影」(重文)は参詣者の心を癒します。    「やぶ椿 蜜盗人の ひとしきり」

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 「ニ尊」(にそん)とは、阿弥陀(あみだ)さまとお釈迦さまのことです。わたしたちが、この世からお浄土へ旅立つとき、迎えてくださるのが阿弥陀さまで、送ってくださるのがお釈迦さまです。二尊院の由来は、弥陀・釈迦の二尊をご本尊とするところにあります。
 お浄土に生まれ変わるとき、すなわち、「往生」(おうじょう)するとき、阿弥陀さまは、その手をさしのべお浄土へと導いて下さいます。ですから、わたしたちは安心してお浄土へと旅立てるわけです。この阿弥陀仏「来迎」(らいこう)の「安心」(あんじん)をわたしたちに伝えるため、お釈迦さまはこの世に出現された…両親がわが子を思うように、ニ尊が、臨終・往生を見守ってくださるのです。