木魚歳時記 第104話

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甘茶かけ 釈迦の跡ふむ ナムの僧

 「春だ春だと小鳥がうたう、さくらさくらだ野山は花だ。すみれ、たんぽぽ、れんげそう。花のお屋根が美しい。あまちゃのなかから、ひょっこりと、お出になったお釈迦さま」(小学校唱歌)    「層搭の 暮色にかすむ 花の雨」

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 お釈迦さまご誕生のとき「龍が天からやってきて香湯をそそいだ」という故事があり、それが花まつりの由来だといわれます。さくらの花で飾った「花御堂」に、甘茶を満たした「灌仏桶」(かんぶつおけ)を置いて、そのまんなかに誕生仏(釈迦)さまを安置し、南無(ナム)の衆たちが甘茶をおかけする…これが花まつりの仏教行事です。
 また、お釈迦さまは、お生まれになると七歩あゆまれ、天と地を指さして「天上天下唯我独尊」とおっしゃられた、と伝えられています。この世の中で<わたし>という存在は唯一つしかない。だから、そのことを大切にして、精いっぱいに輝いてほしい。