木魚歳時記 第59話

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苦界ぬけ 浄土を見たり 銀杏の実

 「雲谷斎の爺い、コンピュター・ウイールスを知ってるでやんすか?」。姫がいうには、会社でパソコン騒動があった。なんとか駆除はできたが、どうしてそんなことをするのか?仕掛る人の気持ちがわからない…。

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 「爺いも、わからんでがんす」。そんな<変態悪い子>が増えるのは困ったことでがんす。きっと、みんなが大騒ぎするのを見て喜ぶ愉快犯でがんしょ。こういう連中にかぎり、マニアテイックな偏執狂が多いから…余計に具合が悪いのでがんす。秀でた知識と技術を持ちながら、誤った目的をいだき、それを誤った方向(対象)に向けて凝り固まってしまう。
 仏教では、①「欲望」(誤った)→ ②「執着」(こだわり)→ ③「苦」(危機)、の図式を説くのでがんす。だから、苦から逃れたいなら、間違った目的とか間違った対象への欲望を持つ、自分自身に気付くことでがんす。つまり「誤った欲望」から自分自身を解放すること、それが「解脱」(げだつ)なのでがんす。やんす姫の一句を…
 「ウンコクサイ 一皮向けて 好々爺」