木魚歳時記 第60話

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小春日の すとんと落ちて 無人駅

 「あたい、寒いのは嫌いです。なんとかして…」。豆八姐さんは寒がりです。そこで、座敷犬を<こたつ>にして眠られるそうです。                                *

 「なんとかして…と、いわれても」。姐さんの<枕>になら、木魚もお役に立てるかも?(あっ、しばかれる)。ところで、冬は寒いという「真実」(事実)を忘れてはいませんか?「寒い冬を温かい冬に変えたい」…もし、そんな欲望を持っても、それは「求不得苦」の結果をまねくだけです。でも、寒いことは寒いとして、スキーを楽しむつもりなら寒さは苦痛となるでしょうか?そう考えてみると、寒さが「苦」となるのは寒さ自体の問題ではなく、私たちが寒さどう感じるか、寒さをどう捉えるかの問題となります。つまり、寒さを「苦」と感じるのは、私たちの「心の問題」なのです。
 次のシリ-ズでは「欲望→苦」の主体である「私てなんや?」について考えてみましょう。