今までにはなかったことであった。今度はいつもよりやや久しく山に帰らなかった法然房であったし、彼も二、三年前にもう三十に達していたのだから、いつまでもぐずぐずしている気がという意味もあったのである。それらの意味を師の一句にすぐ汲み取った源空は、打たれてひびくように答えた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)713
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「ボクの細道]好きな俳句(1792) 有馬朗人さん。「麦秋やここなる王は父殺し」(朗人) 仏教説話に登場する、マガダ国の「阿闍世」(あじゃせ)皇子のことです。そそのかされた「阿闍世」(あじゃせ)皇子は、父王を殺害します。が、仏陀に諭され、罪を悔(く)いて、後に、仏教の守護者となります。
鶸(ひわ)8 「もの好きでいうんじゃないが」と、私は言った。
「どこの馬鹿野郎が、この籠の戸をあけたのか、そいつを知りたいものだ」