木魚歳時記第4041話

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 「自分だけ特別になつかしく思い出されるだろうといい気になっている」
などと人々にからかわれて、
「いつそんなことを申しましたか」
と真顔に弁解しているのもおかしかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)709

       大蜆そいつはじつに美味しくて  蜆(しじみ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1787) 有馬朗人さん。「砂丘ひろがる女の黒き手帳より」(朗人) 「砂丘ひろがる」は比喩でありましょう。女な書き残した、黒い表紙の手帳の空白の部分から、白砂に覆われた砂丘が果てしなく広がるように・・妄がふくらんでまいります。

 鶸(ひわ)4 父は、この方法について自分の考えを述べようとはしなかった。そういうわけで、私は籠の中に巣を入れて、それを桜の木に取りつけた。私の想像は外れなかった。年を取った鶸は、青虫を嘴(くちばし)に一杯くわえて来ては、悪びれる様子もなく、雛に食わせた。