西行は保元の乱を予見してその渦中に入ることをおそれて出家したろうという一応面白い説もあるが、なるほど保元の乱は西行がどちらにも味方しにくい事情もあり、また当時の一大豪族としてその去就はやがて勝負を決するに足る勢力があるために、彼も去就に迷うはずではあったが、しかし保元の乱を十数年前に予見したと見るのはちと無理であろう。
(佐藤春夫『極楽から来た』)472
お薬は飲んでいましたサイネリア
「ボクの細道]好きな俳句(1531) 松崎鉄之介さん。「殺戮もて終へし青春鵙猛る」(鉄之介) 「殺戮」(さつりく)とは? 狩猟か、鳥ハンターか、捕鯨か・・ともかく無益ではないが「いきもの」を殺すことを「生業」(なりわい」とする青春時代が終わったのです。「鵙猛る」の季語が効いてきます。
雄鳥(おんどり)2ー9 彼の雌鳥は一羽一羽帰って行く。彼は声を嗄(か)らし、へとへとになり、もう暗くなってきた中庭に、たった独り残っている・・が、相手は、今もまだ、太陽の最後の炎を浴びて輝きわたり、澄みきった声で、平和なゆうべなのアンジェルスをうたっている。