木魚歳時記 第3781話

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 思うに鳥羽天皇はその北面の武士佐藤義清を東北、北関東にかけての一大豪族と知り、これを盛り立てて源平二氏に対抗する大軍閥をつくって自分の持ち駒にする意志があったが、義清はこの恩寵を、栄位を餌に大渦巻(おおうずまき)のなかに身を投げることを強いられる有り難めいわくと思って、受けもせず拝辞することもならない立場にあって出家を考えていた折から、これに拍車をかけたのが藤原得子への失恋であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)473

       雷鳴が暗い林の向ふから

 「ボクの細道]好きな俳句(1532) 松崎鉄之介さん。「炉にゐるや別の己が北風を行き」(鉄之介) 炉辺でぬくぬくと暖をとる自分がいる。北風の吹きすさぶ荒野に向かう自分がいる。この二つの自分があって矛盾はない。しかし、二者選一を迫られる時は近づきつつある。さて、北風に向かうことを選びましょうか? あっ、やっぱり、ぬくぬくして居たい。

 家鴨(あひる)1 まず雌(めす)の家鴨が先に立って、両脚でびっこを引きながら、いつもの水溜(みずたまり)へ泥水を浴びに出かけて行く。
 雄の家鴨がそのあとを追う。翼(はね)の先を背中で組み合せたまま、これもやっぱり両脚でびっこを引いている。
 で、雌と雄の家鴨は、なにか用件の場所へでも出かけて行くように黙々として歩いて行く。