木魚歳時記 第1346話

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大丸丁稚

 とんとん どなた 大丸丁稚 いまごろなにしに ござった 雪駄かわって かえにきた あんたの鼻緒は なに鼻緒 黒と白とのねじ鼻緒 そんな鼻緒はございません

 京都では、昔、百貨店といえば<大丸さん>を指しました。おっちゃんもおばちゃんも下駄履きのままで気軽に行くことができたデパートでした。この歌は、四条鉾町(ほこまち)の界隈(かいわい)で歌われたそうです。なんともいえないのどかな歌です。さて、俳句とは? それを考える「断念」が思い浮かびます。つまり、俳句とは削ることなのです。俳句とは捨てることなのです。

     清明や東寺秘伝の風信帖