木魚歳時記 第947話

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心を以って心を伝う

 中国の『景徳伝統録』(けいとくでんとうろく)にあることばです。無言のうちに相手に自分の考えを伝えることで、ふつう以心伝心(いしんでんしん)と読み下して用います。
 「心を以って心に伝う」とは、仏教の{さとり」について述べたことばです。「さとり」の内容は、ことばや文字で説明をすることはむつかしい。釈迦(しゃか)は、ことばで伝えることがむつかしい「さとり」の内容を、金波羅華(こんぱらげ)という花を拈(つまむ)ことで示された。それを見て。仏弟子のマハーカッサバひとりがその意味を理解して微笑(ほほえ)んだという。そんなところから「拈華微笑」(ねんげみしょう)という故事(こじ)として伝えられています。

     看経の老尼かたかご花面