木魚歳時記 第912話

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好きの道に辛労なし

 「好きの道に辛労(しんろう)なし」とか、また「好きこそ物の上手なれ」とはよく云ったものです。たしかに好きなことをしているときは時間が過ぎるのも早く、疲れも残りません。
 『無量壽経』(むりょうじゅきょう)の中に「たとい身をもろもろの苦毒(くどく)のうちに止(お)くとも、わが行(ぎょう)は精進(しょうじん)にして、忍びてついに悔(く)いじ」と説かれています。。これはもう<さとり>の境地(きょうち)でありますから、凡人(ぼんじん)のわたしたちにとっては、うかがい知れないことです。しかし、放漫に流れがちな日常をふりかえり、心したいことばであります。

     高僧に灸治の痕や一茶の忌