中道に立つ
イエスとノーをはっきりとさせる欧米の考え方からすると、日本人は<あいまいな>国民性を持つと見られがちです。「中道(ちゅうどう)とは、この日和見主義(ひよりみしゅぎ)とか<あいまい>な態度とは違います。
「中道」(ちゅうどう)は、釈迦(しゃか)の教え、すなわち仏教の出発点の教えです。仏教は、この世における「苦(く)からいかにして開放されるか」を目的として説かれました。そのためには、苦が生じる図式である「欲望→執着(しゅうちゃく)→苦」の図式を逆にたどる以外にありません。つまり「欲望への執着」を無くすこと、これが「中道」(ちゅうどう)の教えです。