木魚歳時記 第1726話

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 中道(ちゅうどう)

 或るところに、沢山の鵞鳥(がちょう)が飼われていた。彼らは、逃げないように羽根を切られ、囲いの中で毎日大量の餌を与えられ、丸々と太ったものから消えていった。ある鵞鳥が考えた「肥えると食われる。食わずにいると死んでしまう」。「命がもつほどに餌を食べ肥えずにいたら、羽根も生えそろうだろう」。鵞鳥はそのことを実行し、羽が生えそろい、抜け出せる大きさになって飛び去っていった。

    浮寝鳥夢のつづきは次の世で