木魚歳時記 第773話

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 お玉小僧は不運な子。高三のとき、また落第(らくだい)坊主となりにけり。病弱、虚弱、ああ、最低速のゴロ男。「こんな男には嫁も来ん」と、大坊主は考えたに違いない。「病気したんやから可哀相そうやんか」と、おっかあは思ったに違いない。

    「議論は人を分けるが

        実践は共感を教える」(石川 洋)

 「それを云うたらおしまいや!」。「嫁さんくらい自分で探すわぃ」。「ワシ、旅に立つ」。国のおっかあ困らすな、背中の葵(あおい)が泣いている。ああ、男二十六歳どこへゆく?(かっこいいなぁ・・)。ほざいたからには東京へ・・か?とんでもはっぷん三度目の接吻(せっぷん)。なんのこっちゃい親類筋の知恩院さんへと駆け込みにける。

     幼鳥の終の住処や草青む