木魚歳時記 第774話

f:id:mokugyo-sin:20131227070133j:plain

 寝たる姿や東山。その山麓に、華頂山知恩教院大谷寺(かちょうさんちおんきょういんだいこくじ)。平たくいえば知恩院さん。業界用語でいえば「山(やま)」。厳(おごそ)かに聳(そび)えける。いわずと知れた浄土宗の総本山(メッカ)でござる。

   「愛を失って悲しんではいけない
      愛こそ最もきびしい試練である」(石川 洋)

 善男善女集まりて、キュツキュピヨピヨ鶯張(うぐいすばり)。大、中、小坊主群れをなし、キンコンカンコンなむなむゴーン。お玉小僧こと雲谷斎(うんこくさい)も寺務所の仕事に励みける。とは、真っ赤な偽(いつ)わり、鷽(うそ)の嘘(うそ)。本音といえば、めんこい嬢ちゃん茜(あかね)ちゃん。ラクダ眼(まなこ)で探しける。と、縁(えん)は異なもの粋(いき)なもの、一匹居たやんか。ぎゃ。

      泡一つ二つ三つ四つ水温む