木魚歳時記 第550話

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 「摩利支天」(まりしてん)は、サンスクリット語でマリーチといい、これは<光線>を意味するところから、陽炎を神格化したものといわれています。

 インドの神話で、摩利支天はインド神話における六大仙人のひとりで男神とされます。一切の災禍を除き利益を増すと信じられたところから、とりわけ武士の間で崇拝されその守り本尊とされたようです。また、仏教美術における摩利支天の像は三面八臂(さんめんはっぴ)で、猪に乗っています。三面のうち正面は菩薩面、左は忿怒面(ふんぬめん)、右は童女面ですが、全体として女神と受け取れイメージがあるところから、武士以外にも民衆の信仰をあつめてきたようです。これはインド神話に、同名の「マリ-チ天女」があるところから、混同が生じたのではないか?ともいわれています。

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