木魚歳時記 第188話

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白飴の 悟空ひねりや 初天神

 鼓膜でとらえる空気の振動は、内耳でリンパ液の振動に変わり、それが神経細胞の刺激となって脳に伝わります。こうして<聞く>ことによる情報は集積されるのです。

 哲人エピクテトスは「神は人間に耳を二つ与えたが、口は一つしか与えなかった。それは、人間が話すことの倍は聞くようにとの思召しからだ。」と述べています。ヘレンケラーは「言語をもたらし、思考のきっかけとなる。人間同士の知的なつきあいを可能とする<声>が伝わらないのは不幸なことだ。」と言っています。

 ぼくは、五体満足に生まれながら、大黒さんや、家族や、いろんな人に対して「すぐ言え、早よ言え、YESと言え。」と、一方通行を迫ってきました。そうですこのぼくは、聞く耳を持たない<快速ゴロ男>でした。みなさま方にずいぶんご迷惑をかけてきました。


    「積年の 頑固はねあげ 霜柱」