木魚歳時記 第189話

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木食の 裾でふくらむ 寒雀

 BOSE。これは<ぼうず>と違います。音響メーカーの名前です。そのBOSEから流れる音楽が、喧噪に疲れた神経を癒してくれるのはなぜか?母の胎内で聞いた胸の鼓動とか話し声とか…あのバイオリズム(ゆらぎ)の隠しワザが秘められているからです。

 「閑さや岩にしみ入る蝉の声」(芭蕉)。

 蝉の声を、暑いさなかの雑音と聞くか、そこに究極の静寂を感じるか。それは左脳(知識脳)と右脳(情緒脳)の働きの違いです。蝉の声が岩にしみ入るわけがない。理性、常識的にはおかしい。しかし、そう感じるのが右脳の働きです。
 大自然のバイオリズムに、諸行無常(しょぎょうむじょう)・諸法無我(しょほうむが)、すなわち、①万物は移り変わる。②万物は相互に関わりあっている。この二大真理に目覚められた釈迦こそ、たぐいまれなる右脳の持ち主であったと考えます。

   「凍解の 頭上注意や 鳥の糞」