木魚歳時記 第187話

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こだわりの 紅蓮となりて どんど焼き

 白頭鷲の営巣(その2)。母鷲の飛び立ったあと、厳しい現実が待っていました。大きい方の雛が、小さい雛をつつき始めたのです。じゃれあい…そうでもないようです。執拗さと激しさがエスカレートするにつれ、一瞬、いやな予感がかすめました。「小さい方を野うさぎと思っている」その不安が的中するのに時間はかかりませんでした。

 マーヴィン・ハリスは述べています。「本当に解きがたい謎とは、戦場で死体を大量生産する技術を競う社会にあって、われわれが人を殺すことはあっても食べることは悪いことだ。と考えているその点にある。」(『食と文化の謎』)
 巣の中で起こった出来事は、生きるため、種の保存のための「自然の摂理」であったとしても、子育てすら充分にできない自然環境の破壊が、その背景にあったとしたら…それは看過できないことです。

   「厄介は 閻魔さまへと どんど焼く」